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報酬の未払いを防ぐ方法はありますか?

(1年以上前)
Tatsuya Saitou
Tatsuya Saitou

最も確実でおすすめなのは、作業開始前に報酬を受け取ることです(前払い)。

次点でおすすめなのが、作業開始前と完了後(納品後)とで半分に分けて報酬を受け取ることです。よくある受け取り方だと思います。

そして最後に、末締めの翌月末払いなどの「後払い」になりますが、この支払い方法で取引する場合は、契約書を交わしてから仕事を始めてください。

特殊な例として、クラウドソーシングを通して取引する方法もあります。

以下、それぞれ詳しくお話しします。

前払いで受け取る

前払いだと、相手(取引先)に失礼ではないか、今後の取引に影響があるのではないか、と心配になる人がいますが、私の経験上、支払いサイト(支払いのルール)が厳密に決まっている規模が大きい会社以外は特に問題なく対応してくれます

それよりも、「あの〜、できれば前払いでご対応いただきたいのですが…大丈夫でしょうか…?」のような伝え方の方が問題で、変に心象を気にするのではなく、お金を先にもらうか後でもらうかだけの話だと認識すべきです。(食券を先に買うお店か、食べ終わった後に会計をするお店か、と同じレベルの話だということです)

私は個人情報を開示せずにフリーランス活動しているのですが、着金を確認してから作業開始しますので…(以下略)と、直接取引する場合は基本的に前払いでお願いしています。

名前を開示して銀行振込をしていただく場合もありますし、PayPalを通す場合もあります。取引内容や回数によって使い分けていますが、PayPalを通すと、万が一の時に返金が可能で、個人情報を開示しなくても請求できるため、使用頻度は高めです。

作業前後で半々で受け取る

作業開始前に半分、完了後(納品後)に残りの半分、と報酬を半々にして受け取るパターンもよく見かけます。

フリーランス側は必要最低限のお金を先にもらうことで安心でき、企業側はリスクを半分にできるため、ウィンウィンの支払い方法だとは思いますが、個人的にこの方法を採用したことはありません。

理由として、この方法でいいなら前金一括でも対応してくれる可能性が高いこと、リスク回避の意味ではPayPalを通した前払いの方が優れていること(返金の申し立てをPayPalに対してできるため)、などがあります。

後払いで受け取る

作業完了(納品)をもって報酬を受け取る方式で、これが最も一般的かと思います。ほとんどの場合、何も気にすることはなく、指定の銀行口座に振り込まれて終わりです。

ただ、報酬の支払いを踏み倒す企業がいるのも紛れもない事実で、リスクがあることは認識しなければいけません。私の経験上、「Webサイトがない企業」や「本業がグレーな企業」との取引で起こりやすいです。

後払いでの取引をすべて避けるのは難しいため(これが一般的なため)、基本的には契約書を交わすことになりますが、取引内容や金額によっては契約を交わすことに現実的なメリットがないのが本音です。

例えば、取引相手に報酬を払う意思がなければ、すぐに「裁判だ!」となると思いますが、金額がそこまで大きくない場合、訴訟を起こすための諸々のコスト(時間や手間)の方が大きいことがほとんどです。

そのため、回収を諦めて泣き寝入りせざるを得ないことも多いですし、そういう裏事情をわかった上で報酬を支払わない悪質な企業も中にはいます。現に、報酬トラブルに困っているフリーランスも多いようで、厚労省が対応策を模索中とのことですが、はっきり言って根本的な解決は難しいと思います。

もちろん、双方の心理的にも、万が一のためにも、契約書はないよりもあった方がいいので、後払いで仕事をする場合は必ず契約を交わしてください。以前、オンラインで契約が締結できるクラウドサインを使ったことがありますが、使い勝手が良かったです。

クラウドソーシングを通す

まだあまり浸透していませんが、仲介役をたてて取引をする「エスクローサービス」の方式もあります。発注側がお金を仲介役に預けて、取引を開始。無事に取引が終わったら、仲介役から報酬を受け取ります。

仲介役である企業自身に信用(実績や知名度)がないことも多く、今はまだ強くおすすめできないのですが、ランサーズクラウドワークスなどのクラウドソーシングで代用することが可能です。

本来の使い方ではないので、手数料が非常に割高になってしまいますが、安心感や影響力を高めるという意味では有用だと思っています。私自身、このやり方で何度も取引しました。


このように、報酬の受け取り方にはいくつも選択肢があり、「正解」はありません。取引に至るまでのプロセス、企業側のスタンス、フリーランス側のスタンスなど、様々な条件を加味した上で最適解を見つけていただければと思います。

仕事契約書

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